皮膚ガス解説シリーズ① 「皮膚ガスと発生経路」
皮膚ガス今回から何シリーズかに分けて「皮膚ガス(Skin Gas)」について解説していきたいと思います!まずは皮膚ガスについて解説します。「皮膚ガス」は体表面から発せられる有機または無機揮発性化合物(ガス化する化学物質のこと)で、
①炭水化物
②タンパク質及び脂質のようなエネルギー基質の代謝生成物
③腸内細菌による分解生成物
④吸入・経口摂取された外因性化学物質(外来因子)
⑤皮膚表面における生物的・化学的な反応生成物
などから構成される混合ガスです(1)。
皮膚ガス発生経路
皮膚ガスの発生機構は「血液由来」「皮膚腺由来」「表面反応由来」の3つに大別されます。
【血液由来】
血液中の揮発成分が直接に皮膚表面から放散する経路でエネルギー基質の代謝やその他の生体反応の過程で生成し、血流によって運ばれる成分はこの経路で放散されます。
【皮膚腺由来】
汗腺や脂腺など皮膚腺を通じて放散する経路で発汗や皮脂の分泌に伴って増加します。汗の成分は血漿であることから血中成分が汗腺を経由して放散することもあります。
【表面反応由来】
従来から体臭の主要因として考えられてきた経路です。汗や皮脂の成分が常在菌や過酸化物の作用によって揮発性化合物に変化し、皮膚表面から放散して皮膚ガスとなります。
「皮膚ガス」はまだまだ聞き慣れない方がいらっしゃるかも知れませんが、近い将来にヒトの体の状態を示す新しい指標として役立てられる日が来ると考えておりますので是非この機会に知って頂けると光栄です!
Writing by Daisuke OIKAWA @2019